あたりまえの、魔法 2

エッセイ。批評。こちらのコーナーはどちらかというと批判や愚痴などを中心に。(笑)  あたりまえの、魔法1→http://junmusic.hatenablog.com/

ふざけてるんですから!! by 片岡大師匠

1昨日、鴨川のデルタ(河原が三角州上になっているところをそう呼んでます。)で、みんなで楽しくセッションをしました。

 

ほんとは、造形大の学生のみなさんに、こんどやる子供とのワークショップでの音楽のやり方を、ミュージシャンとして教える、というなんだかちゃんとした(?)目的があったのだが、

現地に(ちょっと遅刻して)到着して、なんともいえない日だまりの光線の中、ぼくの尊敬する、パーカッショニストの片岡祐介大師匠(?)が、すでに河原の緑の上に上向きにねそべって、

「プカプープー、プカプープー」とおなかの上に置いている鍵盤ハーモニカを吹いているのを見たら、

あぁ!!!と、なにか恍惚なもの(意味不明?)が、空から降って来て、

よーし!と、ぼくも寝そべって、自分の鍵盤ハーモニカを「プープカ、プープカ」と吹き始めてみたら、もうまぶたのうらが、おひさまの光でいっぱいになって、すぐ眠くはなるし、

「あぁ、今日は、、、目的はなんだっけ??えーと、だめだ考えられない!あぁ、ともかくポカポカだ〜!」

と、その瞬間からもう、ただ楽しくなってしまい、

しかも、なんと!!あそこにあるのは、白ワイン!おぉ、おぉ、いいねぇ、いいねぇ!飲みねぇ、食いねぇ! というわけで

ジャンジャカジャンジャカ、ギター弾いたりたいこ叩いたりしてたら、

ふと、あなたどこの国の人なの??という青い目の子供がどこからともなくやってきて

輪っかに加わりたそうに遠巻きにしてるので、

「(やる?やる?)」と、トライアングルをすすめると、

「(えへへ、やる、やる)」と、目で言うので、渡すと

「チーン、チーン!!」と、また、その音が、いいねぇ、いいねぇ!!!

と、セッションは続き、

そのうち、また別の子がよってきて(この子は中近東系?)、おもむろに、鍵盤ハーモニカを手にとると

「プープー、プープー、プープー、プープー、プープー」

おぉ!君は、一音にそんなにはまるのか!?しかし味があるねぇ。。

「プープー、プープー、プープー、プープー、プープー、プープー、プープー、プープー、プープー、プープー」

いいねぇ、そのしつこさがまた!!

なんてやっていると

急に、あれ、こ、この犬はなんてかわいいんだ!!!

うわー、どこの犬?

あぁ、行っちゃった。行かないでーと思ってると、

空には、さっきから食べ物をねらってるトンビが

ビューン、ビューン、と飛びまくってて、

おい、おまえらなんだかかっこいいなぁ、、なんて見てると、またおひさまが

ぽかぽかとして、チキチンチキチン、、トントコトン、、

あぁ、それにしても、なんだか、鴨川のほとりは天国みたいだな、、

 

もうおどっちゃうか!

と今度は踊りながら

カタンタカタカ、タンタカタンタカ、チキチンチーン!

チキチンチキチン・・・それそれー♬

 

・・・・・などとやってる間に、あっと言う間の数時間が過ぎ・・・

 

あれ?もう夕方じゃん。。

 

「あれ、片岡さん、今日学生になんか伝えないといけないんじゃなかったでしたっけ?」

と僕が言うと、

(片岡祐介大師匠)「いやぁ、これでいいでしょう。これが一番でしょう。・・・うんぬんかんぬん。・・(このへんで片岡さんがどういう説明をしていたかは酔っぱらっていたので忘れてしまった)」

で、最後に、片岡さんが言った言葉が、ぼくをガーン!と打ちました。

 

「・・・だって、ぼくら、遊んでるんだし、、

ふざけてるんですから!!」

 

ガガーン!!

あぁ!!!

と、おっさんの片岡大師匠が、ぼくの目の前に降りて来たマリアさまであるかのように見えた(かもしれない)。

うーん!その時、ぼくが思ったのは、

「そうだったよな、、忘れてた。。」

ということでした。

 

そうだった。

遊んでたんだった。ふざけてたんだった。

最初から。

いつからそれを忘れてたんだろう?うぅぅ、、

どうして、それをいつも忘れちゃうんだろう?うぅぅ、、

泣くこたないか。。

 

よく小学校のとき、先生に

「おい!おまえ、何やってんだ!ふざけてるのか!?」と怒られた。

いや、ほんとうによく怒られた。トイレの前に立たされた。正座させられた。

だいたいに置いて、自分が、「これは最高だな!!」と思ってることをしてると

立たされた。正座させられた。

そうなったのはいつごろからだろう?高学年ぐらいからだったかなぁ。そしてそれは中学に行っても続いた。

「おかしいなぁ。小学校低学年のときには、元気があるってだけであんなにほめられたのになぁ、、最近、どうも怒られるなぁ、、なんかこれじゃだめなんだなぁ。ちゃんとやるってなんだろうなぁ。責任とか最近よく言われるなぁ。高学年の自覚ってなんだろうなぁ、よくわかんないなぁ。でも、あいつとか部長やってるし、なんか確かにかっこいいな。。」などと、頭の中でいろいろ考えるようになったのだった。

 

40代も半ばになって、鴨川のほとりで、酔っぱらって演奏しながら、ようやくわかった、あのときは、胸を張って堂々と先生に答えればよかったなぁ。

 

「はい!!ふざけてるんです!!(ブイ!どうだ!!)

遊んでるんですから!」